序章:現出

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「 おいどうしたんだよシュロ・・・」 モクレンが立ち上がりシュロに触ろうとするのをイスカがとめる。 「 ・・・!!」 ―――突如、奥のほうで何かが揺らめいたのが見えた。 同時にシュロに戦慄が走る。 全て思い出した。あの既視感は・・・! 血液が沸騰したのかと思うほどに熱くなる。 無意識のうちに、シュロは力の限り吼えていた。 あれは・・・!奴は・・・・・・!! 「 おぁぁぁぁああああああああ!!!!」 驚く二人の隊員を残し、奥へと駆け出す。 揺らめきが前へ進み出、正体を現した。 ゴーストだった。しかし他と変わりなく見える。 「 おい、シュロ!焦るな!!ただのゴーストに全力出してどうするんだ」 イスカの静止もシュロには聞こえない。 ゴーストの元へ走りよると、一度右へ体を振り、ゴーストの側面へ踏み込んだ。 左フックで体をこちらに向けると本命のアッパーを叩き込む。 ヒットはしたもののゴーストは手でシュロの拳をさえぎっていた。 カスっただけでダメージを与えることはできず、ゴーストも動き出す。 鋭い蹴りをすんでのところで体さばきでかわし、シュロも足刀を返す。
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