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「な……なんじゃ………なんじゃこれはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」
部屋を飛び出した俺が向かったのは当然ながら洗面所。
洗面所に辿り着いた俺は鏡に写る自分の姿を見て、思わず叫んでしまっていた。
鏡に写っていたのは見慣れた己の姿ではなく、己よりも遥かに小柄で、童顔の美少女だったからだ。
首筋の上辺りで綺麗に切り揃えられた自慢の黒髪は腰の辺りまで延びていて、肩幅も小さくなり身長も20センチは縮んだだろうか。
そして何よりも目を引くのは、幼さの残る、丸みを帯びた輪郭。クリクリと大きく開かれた、黒く艶のかかった紫の瞳。
そこに写る姿は紛れもない美少女であり、当然ながら俺はその信じがたい現実を受け入れられるはずもなく。
ただただ、鏡に写る美少女の姿を視界におさめ、呆然と立ち尽くしていたのである。
……そう。昨日までは冴えないどこにでもいる普通の男子高校生だった俺は、誰もが目を見張る美少女になってしまっていたのだった。
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