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何だかんだで支度を済ませて仕方なく登校した学校。
教室の中心に、俺はいた。
「ね、本当に彰なの?」
「どうしてこうなったの!?」
「制服、ブカブカなんだなー」
「ホントに女子になっちまったのか!?」
「むしろ、女子の制服着ないのか!?」
朝一で学校に登校し、担任やその他の先生方に事情を説明し、各クラスでのSHRを終えたと同時に群がってきたクラスの仲間たちは我先にと俺のもとへと集い、矢継ぎ早に質問を投げ掛けてくる。
彰と言うのは俺の名前で、フルネームだと、姫百合 彰(ひめゆり あきら)と言う。
「それは俺が知りたいよ…こんな格好になって、声までこんなことになって……」
俺がクラスメートらと話している間にも噂を聞き付けたのだろうか、他のクラスの連中が廊下に集まり、教室の中を伺おうとしている様子が人混みのわずかな隙間から見えてしまった。
やはり、学校は休むべきだったのだろうか。
そんな風に思考を巡らせていると、背後から声をかけられた。
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