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「それで良いかな、柊君」
それは疑問文であるはずなのに、最早命令の様な響きだった。
リリィは相変わらず俺を睨むし、これは断れないんだろう。
断る気もないが。
「良いけど、皆も自己紹介してくれないかな
皆の事、覚えたいし」
俺がそう条件を出すと、皆嫌な顔せずに頷いてくれた。
そして菊川の指示通りに質問タイムが始まる。
まず始めは、少し小柄な平凡君。
「あ、えっと、初めまして
僕は青木 出流(アオキ イズル)、風紀委員です
宜しくお願いします」
「宜しく」
見た目平凡だと思ったら意外にも風紀委員だとは。
吃驚して、思わず青木の顔2度見してしまった。
風紀委員長に気に入られて委員会に入ったとか、そう言う萌えなエピソードないのかなwwwww
青木は、真っ黒でストレートな髪を揺らす。
触ったら気持ち良さそうだなんて、考えた。
「あの、僕からは質問と言うか、伝言なんですけど…」
「伝言??」
「はい…、委員長から」
青木が不安そうにそう言えば、周りにいた生徒達がざわめいた。
ヒソヒソと、ハッキリとは聞こえないが、何か話しているのは聞こえた。
「委員長が、“転校して来たばかりでまだ慣れないだろうが、騒ぎを起こして俺に面倒を掛けるな”って…」
青木は自分の言葉じゃないのに、言い終わると「すみません、大きい事言って!!」と謝った。
いや、別に良いんだがな。
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