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先輩と言えど、楓ミルクの給料では厳しい筈……。
「不思議?」
「はい。こんなこと思うのも失礼ですけど……」
「そうだよね、勤務年数に差はあれど同じ総合職だから明細の察しはつくよね」
柴さんは隣に座りコーヒーを啜る。
「まあ、副業みたいなものだよ」
「副業? まさかホストとか……」
「ははは、桧山さんは面白いね。でも違うよ。僕は君だけのホストでいるから。なんて、クサイか」
柴さんはそう言うと私の首筋にキスをする。まだ跡が付いてるね、僕の跡、と言って唇を這わせる。コーヒーなんてそっちのけで柴さんは私の体にも手を這わせて服を乱していく。直ぐに寝室に促されて服を脱ぎ、柴さんに合わせる。今日はシラフの桧山さんを味わうよ、と前戯を続ける。
「え……?」
「何か変?」
柴さんは避妊具も付けずに私に跨がろうとした。
「こないだも避妊しなかったし、今更な気がしない?」
「でも……」
柴さんはそのまま行為を続ける。
「……」
今更……確かに今更だ。もう後戻りは出来ない、私は柴さんを選んだんだ。
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