3061人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前が柴を選んで幸せなら止めない」
「はい……。でも柴さんとは別れます」
「だから、柴は例え話だ」
「例え話、ですか?」
「きっとピーコを幸せに出来る男はごまんといるだろ」
私は意味が分からなかった。鎌谷さんは私を許してくれたのか、はたまた呆れて突き放したのか……。
「忘れる自信がねーんだ」
「忘れる?」
「……いや。何でもねーよ」
鎌谷さんは何かを言いかけた。忘れられないって……。
「……」
どう返事していいか分からず、私はアイスコーヒーを飲むふりで黙っていた。
.
最初のコメントを投稿しよう!