箪笥がある

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「っだー!もうやってらんねーよ!」 どうかしたんですか? 「どうもこうもねーよ!もうやだ!俺天使やめる!」 ええ?なんでまたそんな。 「馬鹿馬鹿しいったらねーんだよ。 なぁ~にが神様だ。今はもう大した仕事もしてねーくせによぉ!いっつもえらっそーに説教ばっかしやがって!世界創っただかなんだか知らねーけどさぁ、もう古いんだよ考え方が!」 おやおや神様の愚痴ですか。天使さんも大変なんですねぇ。それで、考え方が古いというのは? 「いや、俺ら天使の仕事ってのはさ、人間達を善い方向へ導いてく事じゃん?それはいーんだよ別に。むしろ俺はこの仕事に誇りもってやってるし?でもさぁ~天使だから禁煙って、ありえなくない?まじ酷くない?」 あれ、天使さんでも煙草吸ったりするんですね。 「そりゃそうだろ天使みたいなきつい仕事、なんか息抜きがなきゃストレスで死ぬわ!」 …お疲れ様です。 「いやでもね?確かに俺だって天使の自覚くらいあるよ?イメージ商売だとも思ってるし、絶対に人間にはバレないようにさ、天国での息抜きの時だけだよもちろん。…な・の・にあのクソ神ときたら『天使はイメージが大事なのです。喫煙など言語道断!(天使裏声)』とかいきなり言い出しやがって!天国を全面的に禁煙にしやがったんだよ!!!自分が吸わねーからってあの野郎!!腹立つ!!!!」 まぁまぁ。ちょっと落ち着いてください。どうです?一服。 「…ああ、ありがと。はぁ~もう最近ほんと悪魔さんとこが羨ましくてさ…一応商売敵なんだけどさぁ、なんでも地獄は喫煙し放題らしいんだよ。いーよなぁ。まじで俺堕天しちゃおっかなぁ~」 とか言いながら、天使さんこれからも天使頑張るんでしょう? 「まぁ~ねぇ~。仕事はやりがいあって好きだからねぇ~。はぁ~。そろそろ仕事戻るかな。」 ふふ。また煙草吸いたくなったり愚痴りたくなったら来て下さいね。いつでも歓迎しますよ。 「もぉ~優しいー!涙出るわ!ここでしかこんな愚痴言えないからさ~ほんとまじ助かるよ。いつもありがとね。」 いえいえそんな。 「今度なんかいつものお礼に美味しいもんとか持ってくるから!じゃ!また今度!」 はい、お気をつけて。
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