母が子に手を掛ける時

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先日、友人との会話の中で、タイトルの件が挙がった。 子が親に手を挙げる事件も含めて、ここ数年、本当に増えてきたように思う。 そうなると、何故そうなったのか知りたくなるのが私の性分なので、友人と共に知恵を絞りあっていた。 結論から言うと『人生とは自分の幸せの為に生きて当然だ』という思想が拡がり定着してしまった。というところにたどり着いた。 自分の幸せを願う事は、けして悪い事ではない。 しかし、その言葉の裏に、『誰かの不幸を気にも留めない』『誰かを不幸にしても自分の幸せを掴む』という思いを、はらんでしまっているケースが往々にしてある。 世の中に起こる事件の全て。そのひとつひとつの中心にはエゴがある。 人の為にと言いながら事件を起こしてしまう場合にも、誰かをかえりみないエゴが潜んでいる。 自分の事を大切にすることは大事だ。 しかし、自分を大切にする為に、別の誰かを落としめる事は、まったく逆の行為である。 結果として、自身が不幸となるのである。 『人を呪わば、穴二つ』という言葉を思いだす。 誰かを不幸に落としめたなら、自身も不幸に落ちるという意味だ。
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