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起きた時には病院のベッドの上だった。
目が覚めると母や父の姿が見える。
いや、目の前に居た。
私はすっと起き上がる。
「若、大丈夫?」
母は聞く。
私は頷く。
母も父も少し心配しているような顔をしているが、
安心したような表情も少し見える。
この状況になるまで、自分はどうしていたのか。
少し考えていた。
少し考えているだけで思い出す。
「お母さん、お母さんの友達もここにきているでしょ」
お母さんは少し驚いていた。
「昨日、菜の花のワンピースをくれた人」
「うええええん」
急に泣き声が聞こえた。
聞き覚えがある声。
私は無理でも立ち、その場所に行く。
病室を出たら、目の前だった。
アルパカ君のお母様が泣いていた。
それがどういう意味なのか、わかった。
アルパカ君は死んだんだ。
もう、この世界には帰ってこない。
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