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高校生活にも慣れた頃――。
季節は夏。
暑さに弱い僕は例のごとくくたばっていた。
時間的にはまだ2限目だろうか?
登校して早々に僕は熱中症で倒れ保健室のベットで横たわっていた。
白いカーテンが開け放たれた窓から入ってくる風に靡(なび)いている。
室内をざっと見回してみるがどうやら保健医はいないようだ。
見慣れない天井を見上げ瞼を閉じた。
それから少ししてだろうか、ベット脇で何かが動いたのだ。
何となく僕は目を閉じたままだった。
何故か、目を開けるなと直感が告げたからだ。
内心ドキマギしながら相手の動きを探る。
実際、目を閉じているから相手が誰なのかもわからないのだが……。
誰なのかわからない指先が髪をとくかのように優しく頭を撫でた。
うっすらと片方の瞼を開けて相手が誰かを探る。
それが誰なのか理解した瞬間全身が痺れたかのように電流が走った。
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