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そう、彼だったのだ――。
正直ビビったが平然を装い寝たふりを続けた。
彼――浜ちゃんは僕が意識あることなど露知らず何度も何度も頭を撫でる。
「…………カズ。」
微かにだが僕の名を口にしていた。
心臓の鼓動がバレるのではないかと思うくらいバクバクしっぱなしだ。
これからどうなるのかとか考えていたら終了のチャイムが鳴り響いた。
浜ちゃんは明らかにビビったらしく触れている頭部から伝わってくる。
慌てて立ち上がったのかベッドサイドやらにぶつかる。
いろいろな物にぶつかりながら保健室から消えていった。
残された僕は触られた頭部に掌を当てて余韻に浸った。
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