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「現実世界におとぎ話は必要とされなくなってきている、自分たちが居る意味はないと嘆いて、ふたりで逃避行を…」
「あやつらときたら…白雪の国や人魚の国では、姫君達が頑張っておるというのに」
悩ましい溜息で白髭をそよがせながら、国王はしばらく考え込んで。
「ふむ…いたしかたあるまい」
決断したように頷くと、その重い腰をよいしょと持ち上げた。
「大臣よ、シンデレラの国に通達をお願いしてよいかな?」
「は。ではどういった内容で?」
「おお、そうじゃな。『本件を緊急の事態と判断し、召喚魔法の使用を許可するものである』としよう」
「ははっ!」
大臣の顔色がぱっと明るさを灯す。朗報を賜った彼は沈んでいた気持ちを浮上させながら、国王に一礼すると足早に謁見室を出ていった。
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