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「……………………え?」
思わず、間の抜けた声が零れ落ちる。
横たわる少女と壁の文字を交互に見、また壁の文字の上に視線を留める。
(……こんなの…、さっき見た時はこの部屋に無かった………。)
なのに、誰がこれを書いたのか。
この部屋に、彼女以外に生きている者の気配など無い…………
まさかの思いで横たわる少女を彼女は見詰めるが、それは有り得ない話だ。
少女は確かに死んでいる。
恐る恐る首筋に添わせた指先に、脈は触れない。
それに。
(…“逃げて”って……ナニから?)
「 追いかけっこの準備は済んでるかい? 《アリス》。 」
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