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「隼人ん家まで送るよ。」
「えっ…ええっとじゃあお願いしようかなぁ~」
「ただいま~って誰もいないか。」
「おばさんは?」
「母さんは仕事だよ。」
「そっか。」
ガチャッ
「へぇ~、ここが隼人の部屋かぁ~案外綺麗だな。」
「案外…ねぇ~褒めてんのか貶してんのか・・・」
「貶してねぇよ。ほら、隼人は早く横になって。」
「うん。」
自分が思ってるより遥かに重症だな~
ベッドに入った途端頭痛と寒気がまた襲ってきた。
「隼人?」
「寒い…」
「寒いのか…また熱が上がってきたのか?」
そういって、俺は隼人のおでこに触れた。
すると、さっき保健室にいたときよりかなり熱が上がっているみたいだ。
「隼人。ちょっと台所借りるよ。」
「う…ん。」
はぁ…はぁ…はぁ…
息が荒くなってきた。苦しいんだろうな。
ガチャッ
「隼人~起きれるか?」
漣がお粥を作ってきてくれた。
「うわぁ~うまそう~」
「食べれそうか?」
「たぶん…食べれると思う。」
「ん。うまい。」
「ほんとか?よかった。」
「林檎勝手に擦ったけど食べるか?」
「うん!食べる?」
林檎は俺の大好物だ
「はあぁぁ~うまかった。ありがとな。漣」
「おう、早く薬ので寝な。」
「うん。」
薬を飲んで暫くするとだんだん眠くなってきた。
「眠くなってきたか。」
「うん。」
「俺のことは気にしなくていいから寝な。」
俺が寝たあと、漣がどこかに行ってしまうんじゃないかと思った。
漣がどこかに行こうとしていた。俺は咄嗟に漣の制服の袖を握っていた。
「えっ…。」
「・・・いで…行かないで…」
微かに隼人の口からそう聞こえた。
「い…行かないで…漣…」
隼人…
ギュッ
「大丈夫、何処にも行かないよ。だからゆっくり寝な。」
「う…ん。」
暫くすると隼人から規則正しい寝息が聞こえてきた。
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