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森の中に足を一歩踏み入れるたびに町の騒がしさが遠ざかる。
風が草木を揺らして、私に語りかけてくる。
何故だろうか。今日はいつもより風が騒がしい気がする。
そんなことを考えているうち、いつの間にか一本の大きな大木の前に出ていた。
樹齢千年、私が若い頃からここにある木だ。
昔は山の奥深くにあったこの木は今ではこんなにも人里近くになってしまった。
寂しさと、懐かしさの混じった気持ちで木を見つめる。
もっと近くによりたい…
そう思って苔の茂った木の表面に手を伸ばしたその時だった。
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