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「黒!」
木の上から声が降ってきた。
続いて黒い影も一緒に降ってくる。
そのとたん、今までまるで気配を消していた翠が殺気を放つ。
「久しぶりだな。俺が恋しくなったか?」
浅黒い肌の瞳の大きな青年が烏羽に話しかける。
「烏羽様はお前などに会いに来たのではない!!」
翠がすごい剣幕で少年を睨み付ける。
「そう怒るなよ。折角の美人が台無しだぜ?」
そう言って青年が伸ばした手を翠は大袈裟に避ける。
「触るな!!野蛮人っ!!」
そこまで言われても青年は全く怒らない。
むしろ笑顔で
「はははっ。可愛いな。翠は。」
という始末。
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