神に拾われし子

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昔の思い出したくもない記憶がよみがえる。 「黒楊…。」 頭の中で遠い昔、愛した人の声がする。 その人の悲しそうな顔… ぼんやりとしたそれは次第に頭の中ではっきりとしてゆく。 あと少し、それがはっきりとした形を成そうとしたその時。 ズキン、と右目が痛んだ。 過去に囚われてはいけない。 そう言われた気がして髪に隠れた右目を軽く押さえる。 「黒?」
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