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古いツタが沢山ある建物に勢いよくドアを開けて中へ入る少年が見えた。
「ここ…」
「あたしらの住み家」
そういい、自然な動作で門を開けてズンズンと進んで行った。
さっきの少年と同様、勢いよくドアを開けた。
中は意外と洋風で、結構広かった。
「ここに二人で?」
「いや、もう一人いる」
こちらに振り向かず、嫌そうな口調で言った。
「もしかして、生理的に無理な人とか?」
すると、いきなり振り返り頬を強くつねった。
目は笑っていた。
「生理的に?違う。精神的にだよ!!」
「いは、ほっひもおはひ意味ひゃないててて…」
目つきと言ってることが合わなくて逆にそのオーラが怖い……。
「まあ、簡潔に言えば男が嫌いなだけだし。未理夜(みりや)みたいなのは特に」
「みりや?」
「さっきの糞野郎」
「ああ…未理夜……」
そう言ってるうちに、大きな扉の部屋の前に立っていた。
ドアノブが2つあったが、片方が完全に壊れていた。
アノノンは構わずもう片方のドアノブを捻った。
「んぉー、アノノンとチキン野郎じゃーん☆」
長いソファーに横になって、両手を頭の後ろに回している未理夜と、部屋の壁で静かに分厚い本を読んでる青年がいた。
あ、さっきアノノンが言ってた『もう一人』って、この人か。
「うっかりこけて死んだかと思ってた~」
「んな訳ないだろ馬鹿」
「うん知ってる~\(^^)/テヘペロ☆」
「…失せろ」
「やだなあ兄妹してドライとかワロタww」
「は?兄妹?!」
アノノンの視線が、鋭く突き刺さった。
目だけで二人を見比べると、目元がかなり似ていた。
「あ、いい忘れてた」
後ろにいたアノノンが僕の目の前に来た。
さっきと変わらない目付きで…。
「言っとくが、あたしはアノノンじゃないからな。亜望(アノン)だ。こいつみたいに変な渾名付けたらバットでお前の頭打ってどっかにホームランさせるからな?分かったか?」
「はい…」
言葉を発している途中で腕を組んだ。
絶対イライラしてるな…。
いつの間にか未理夜が亜望の横に立っていて、亜望の肩に手を置いてこちらに笑いかけた。
「アノノンはね~、最強のマニッシュだよ☆短パンにニーソとか俺の萌え領域半端なく越えてグヘッ」
「……縫うぞ」
「すみませんm(__)m」
「下がってろ」
「はい」
その隣で静かに本を読んでる青年を見てると、目があった。
パタンと、青年は本を閉じてこちらをみた。
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