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青年はこちらをジーッと見たあと、やっと口を開いた。
「…死ね」
「第一声死ね?!」
「キシシシwwワロタwwオトヤンメッチャクールな毒舌ワロタww」
「…お前殺す」
「フヒヒwwサーセンww」
確かに未理夜の言う通り、クールな毒舌。
目付きは亜望と違って爽やかなのに、この兄妹ってどっかおかしい。
「オトヤ~ン☆一緒に遊ぼう♪」
「…(睨)」
「♪~怖い怖i…」
ゴッ…
いい音が、部屋中に響いた。
亜望は素手で殴っていたが、オトヤンは自身の分厚い本で未理夜の後頭部にクリーンヒットさせていた。
「…亜望。口、縫え」
「承知」
「は?いやいやいやーwwこっち来ないでアノノン~^^」
「…あのドM仕留めて来い」
「はいよ」
「んあー、そうだー。俺ハッカーの所に行かなきゃ~^^お二人さーんまーたねー☆テヘペロ~」
「逃げるな!」
未理夜と亜望が至近距離で走りながら部屋を出ていった。
オトヤンは目を閉じて一息つくと、さっき未理夜が座ってたソファーに横になって本を読み始めた。
すると、チラッとその本の題名が見えて口に出して言った。
「千年物語…?」
本の題名を僕が言うと、オトヤンは素早く反応してこちらを見た。
「…知ってるのか」
「いや、名前だけ」
「…そうか」
そういうと、また本を読み始めた。
でも、数秒して本を閉じた。
そして、こちらを再び見た。
「…お前は、何で死んだんだ?」
「え…」
「……」
目が真剣だった。
「えっと、確か黒い布を被った人に『殺された』…?」
しばらく沈黙が走ったが、オトヤンがそれを破った。
「…やっぱり」
「え…どういう事?」
「…ここにいる奴は全員
『あいつ』に殺された…。」
「『あいつ』って…」
そういうと、オトヤンは目付きの雰囲気を変えてこちらを見た。
そして、静かに口を動かしながら言った。
シ ニ ガ ミ だ
……と。
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