3,運命人×4

6/10
前へ
/264ページ
次へ
「シニガミ…?」 「…ああ。それは間違いない。確信だ」 視点を一切反らさずにそう言った。 シニガミのイメージは骸骨で、大きな鎌を持っていて、黒い布みたいなマントをつけて…。 あっ… ――あの人も、黒い布を身に纏っていた…。 「みんなシニガミに?」 「…ああ。亜望と未理夜と俺と、他にもう一人」 「誰?」 「…さっき未理夜が言ってたハッカー」 ハッカー… いいイメージがつかなかった。 「…行ってみるか?」 「え?何処に?」 「…ハッカーの所」 持っていた本をソファーに置き、今すぐ行ける体制にオトヤンはなっていた。 もう、流れ的に行かなきゃ行けない気がしたので、黙ってオトヤンに着いていった。 建物をすぐ出てある洞窟に入った。 高さは中腰になる程度。 先を見ると結構距離があった。 そこをお構い無く進んでいった。 「…恐らくあいつらも着いてるだろうな」 唯一、足音しか聞こえない中で、オトヤンは独り言のようにため息混じりで呟いた。 何か呆れ返ってるように見えたのは気のせいだったのだろうか? 間もなくして、光が見えたと思ったら洞窟を抜けた。 まず、先に見たのは樹齢1000年以上ありそうな樹木。 そして、そのすぐ近くにある平屋のログハウス。 恐らく、あそこにハッカーが住んでるんだろう。 「ここにハッカーが?」 「…でなきゃここに来ないだろ馬鹿が」 「…」 オトヤンの後を追ってログハウスの前まで行くと、何故かオトヤンが止まった。 「?」 疑問に思いながらも、オトヤンを抜かしてドアノブを捻った。 ドサドサドサドサドサドサドサドサドサドサ… 「うわわわわわ!!!」 倒れてくる物のなだれにいつの間にか押し潰されていた。 オトヤンが先を譲ったのは、これのせいか…。 「あー、大丈夫ー?」 家の中からオトヤンより少し大きい青年が出てきた。 「ん?あー、この子がミリの言ってた噂の…」 こちらに近付いてしゃがみこみ、綺麗に手を差しのべた。 「初めまして、レイ=クロイツェです」 手をとり、青年を改めて見た。
/264ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加