第四話

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「もし、歌詞も書いたら…唄ってくれる?」 「え、うん。」 「…そうか、よし、がんばろー」 「何だよそれ。」 ベッドに寝転がりながら悠月は可笑しそうに微笑んだ。 横で作業を続ける丈を、猫と一緒にのんびりと見つめる。 二人が「恋人同士」になってから数日が経った。 悠月の風邪(仮病)は治り、終業式までは当分休みという時期に入る。 そうなると二人はよく丈の家で一緒に過ごすようになった。 過ごす、とは言っても、することと言えば音楽を聴くだとか、パソコンに向かうだとか、猫と戯れるだとか、以前とは何も変わらない。 「恋人」という定義の基で何が成立することも無い。 まだ、ふいに身体が触れ合うと悠月は脅えるようで、その度に彼は謝る。 それでも何度も丈が手を伸ばすうちに、静かに腕の中に納まるようになった。 「…慣れてきた?」という声を耳元で聞くと、深い息を吐いてから「いいリハビリだよ。」と嘲笑する。
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