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学校を後にして数分後、二人はマンションの下で足を止める。
世界記録保持者である嵐川健と、先程生活指導の注意を受けていた銀髪が、揃って立っていたからである。
日常風景からはかけ離れている派手な青年たちは、丈たちの制服を見て、
「あれ、同じ学校?ここに住んでんの?」と指を差して笑った。
「いやー全然知らなかったー俺たちもねーここに1年の時から住んでるんだけどさー忙しくてご近所とかも知らなくてさーあははー」
パタパタと走り寄りながら健が大笑いしてくる。
悠月の顔が少し引きつるのを見て、丈は一歩前に出た。
身体半分で悠月を隠す形になる。
互いの学年章を確認した健は更に続けて「同じ学年とかー知らねぇしー!まぁ今後とも宜しくー」と、ぶかぶかの袖を振った。
結局一言も会話という会話はせず、妙な二人は建物の中へと進んでいく。
自動ドアが開くか開かないかという時に、自然と健の指は銀髪の男の、
シルバーアクセサリーだらけの手に重なった。
それにきちんと反応して、大きな掌は優しく健の手を握り返す。
時が止まったかのように、残された二人は佇んだ。
あまりにも自然な行為なので見落としそうになっていたが、明らかに友情以上の何かを見た。
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