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頭をポリポリとかき、一つあくびをしてから尋ねた。
「で、今日もクエスト三昧か」
えぇ、と恋は頷いた。
「玲王。オレも今日からやっとレベルアップができるぜ」
「……さっきは愉快な目覚めをありがとう」
のんびりした調子で言った匠に俺はブスッと言葉を返した。
それはさておき、今日からってことは昨日のデータをマスターしたんだな。
「結局、あの中身って何だったんだ?」
「【アイアンコング】ってーらしいな。推奨レベルは100前後」
一気に俺のレベルに追い付いたな。何か不思議な気分。
「それが特殊スキルの利点よね。私達より遥かに強くなりやすいわ」
極端な話、レベル1のプレイヤーが1万超えの魔物のデータを持ってたら、そいつはレベル1万って訳だからな。
「まぁ、今の匠の魔力じゃあ長時間の使用は無理ね。おまけに、【形態変化】も使えないわ」
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