日常から非日常へ

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  「「……」」 何故か沈黙。 いや、匠の運の強さは昔から承知の事実だったんだけど、ゲーム内でもその強運が生きていたとは。恐るべし。 ある程度の間を経て、匠は咆哮した。 「やっっったァあああああああああああああああッ!!見たかよ玲王!『スキルの薬』引き当てちまったよ!」 「見りゃ分かるって」 バシバシと俺の背中を叩く匠。結構痛い……。 特に警戒せずに『スキルの薬』を飲んだ匠は、口を押さえる。どうやら相当不味かったみたいだな。 不用意にも水を用意し忘れたため、唾液で飲み込むしかない。 しばし口の中をモゴモゴしていた匠がごっくん、と喉を鳴らした。 何回か咳き込んでから、 「で、玲王のはどんなだ!ん?ん?開けてみろよ」 舌をまくし立てながら催促する匠に、若干気圧されながらも箱に手をかける。 緊張する。テストで赤点かそうじゃないかくらいの緊張感だ。 目を固く瞑りながら、直方体の箱を開けた。 「!これは……」 匠の一言に釣られて、閉じていた目を開く。 そこには、一振りの刀。  
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