日常から非日常へ

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  「「……」」 再び沈黙。 言うなればアレだろ?ゲームの主人公が最初っから『銅の剣』をすっ飛ばして『ロトの剣』を持ってるみたいなモンなんだろ? 俺はその剣を手に取り、試しに鞘から抜いてみた。 「おおっ」 二人の口から漏れる感嘆の声。それほどまでに、この剣は美しかった。 年代物と思いきや、傷らしきモノは存在せず、作りたての日本刀でもここまで綺麗とは到底思えない。 国宝がどんなモンか知らないが、俺的には芸術的価値で言えば国宝級だと思う。 俺が剣を品定めするような目付きで眺めていると、匠が後ろから思いっきり背中を叩いた。 「よかったな玲王!『A+』っていうと、最上位の『S』ランクの次じゃん!」 おお、と曖昧な言葉で返事をする。ていうか、さっきから痛いんだけど……。  
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