111人が本棚に入れています
本棚に追加
意外にレベルは1からじゃなかったんだな。
特に驚くような箇所はなく、お返しにと匠のレベル測定を行った。
━━━━━━━━━━━━━━
《西田匠様》
レベル・6
装備品・無し
スキル・【変貌】
━━━━━━━━━━━━━━
おおっ。差は1だけどレベルが匠より上だった。
密かに喜びを感じていると、匠は廃墟の出口を指差した。
「とりあえず外に出てみようぜ」
確かに。ゲームの世界がどんなモンか見てみたい。
携帯電話をズボンの尻ポケットに突っ込み、廃墟を出た。
「スゲーな」
広がるのは現実世界と大差ない世界。
見事としか言い様のない完成度には恐れ入る。
違う所と言えば、まだ日中にもかかわらず、人通りがまったくないこと。
まるでゴーストタウンのような状況に、背筋が凍る。
「この辺を探索してみようぜ。誰かいるかも……、って玲王」
車一つ走っていない向こう側の車道に、人影が見える。
多少距離があるので、相手の人相など詳しいことは分からない。それが一層、俺達の警戒心を高める結果になった。
得体の知れない相手に携帯電話を向け、レベル測定を行う。
最初のコメントを投稿しよう!