日常から非日常へ

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  意外にレベルは1からじゃなかったんだな。 特に驚くような箇所はなく、お返しにと匠のレベル測定を行った。 ━━━━━━━━━━━━━━     《西田匠様》 レベル・6 装備品・無し スキル・【変貌】 ━━━━━━━━━━━━━━ おおっ。差は1だけどレベルが匠より上だった。 密かに喜びを感じていると、匠は廃墟の出口を指差した。 「とりあえず外に出てみようぜ」 確かに。ゲームの世界がどんなモンか見てみたい。 携帯電話をズボンの尻ポケットに突っ込み、廃墟を出た。 「スゲーな」 広がるのは現実世界と大差ない世界。 見事としか言い様のない完成度には恐れ入る。 違う所と言えば、まだ日中にもかかわらず、人通りがまったくないこと。 まるでゴーストタウンのような状況に、背筋が凍る。 「この辺を探索してみようぜ。誰かいるかも……、って玲王」 車一つ走っていない向こう側の車道に、人影が見える。 多少距離があるので、相手の人相など詳しいことは分からない。それが一層、俺達の警戒心を高める結果になった。 得体の知れない相手に携帯電話を向け、レベル測定を行う。  
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