ある日常の出来事

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――――現実 「何かすでにレベル80超えってずるいよな」 匠の一言で、今日は始まった。 【DEATH・GAME】を始めて以来、俺と匠は登下校を共にしている。 今はその登校の場面である。 「んなこと言ったって、死に目にあった俺としては不幸としか言い様がないぞ」 あの時は死ぬ確率の方が高いのは明白だった。 生きていた方が奇跡的なのだ。 人生ってのは何が起こるか分からんモンだねぇ。 「やっぱ強運なんだって。だから宝くじ買おうぜ」 「身を破滅しても良いのならな」 まだ言ってんのか。ねちっこい奴め。 「じゃあ競馬は?」 「ふざけんな」 「パチンコ」 「やだ」 「麻雀」 「いい加減に賭け事から離れろよ。お前仮にも未成年だろ」 こいつは将来苦労するだろうな。  
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