ある日常の出来事

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  (匠の言う通り、俺達って強運なのかもな) 俺は昨夜の濃い一日のことを思い出していた。 支給品の武器についてもそうだし、と考えた所で、俺の脳裏に蘇るのは【草薙の剣】について。 今更だが、剣が喋るのって奇想天外なことだよな? そのことを匠に話すと、こいつは俺を哀れむような目で見てきやがった。 「もぉ~~~っ、この子ったら!ゲームのやり過ぎで頭がゲーム脳になっちゃったのかしら」 「違ぇよ。あと、オカンかお前は」 俺のツッコミを華麗に受け流し、匠はなおも続ける。 「でもさー、あり得るあり得ない以前にその剣、随分と偉そうだな。オレが主人だったら質屋に売り飛ばしてる所だぜ」 確かに。【DEATH・GAME】内じゃ、欲しがる野郎は何人もいる。 なんせ十本しかない大業物の一本だからな。  
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