ある日常の出来事

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  ガッ!と。 いきなり肩を掴まれた。 恐る恐る振り返ると、不良が凄い剣幕で睨んでいた。 「待ちなよ。そんな下手な演技で誤魔化せると思ったのかよ?あぁ?」 ……バレたね、こりゃあ。 二人の不良に囲まれ、頼りの石神も縮こまるばかり。 その不良は戦闘準備万端と言わんばかりに、指をポキポキ鳴らしている。 ……一、二発は覚悟せにゃならんようだな。 やれやれ……。 と、ため息をつくと共に、顔面に鈍い痛みが連続して走った。 ―――― 「…………うっ。痛ってー」 散々ボコられた挙句、所持金2000円を取られた。 どうしてくれんだ、今月のお小遣い。 一緒にボコられた石神は不良達が立ち去ると、申し訳なさそうな顔を俺に向けて、走ってどこかへ行ってしまった。  
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