ある日常の出来事

11/14
前へ
/107ページ
次へ
―――― 顔に痛みが走るのを我慢して風呂に入り、口の中がヒリヒリするのを我慢して夕食を食べた。 今は匠の家に行く準備の最中である。 明日からは休みなので、【DEATH・GAME】に没頭するつもりだから、その準備である。 「玲王、西田くんに迷惑かけないようにね」 と言ったのは、俺の母である山田玲子(やまだれいこ)だ。 「心配性だなぁ母さんも。迷惑なんてかけないって」 俺は苦笑しながら言った。どうも母さんは過保護過ぎるんだよなぁ。……嫌な気分はしないけど。 「いーや、今日だってそんなに酷い怪我してきて。自分の体なんだから、もっと大事にしなさい」 やれやれ、と言った感じで息を吐き出す母さん。 とは言っても、詳しく言及しないのは俺を信用してくれてる証拠だろう。ちょっと自惚れてるか。  
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加