ある日常の出来事

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―――― 今の時刻、午後8時23分。 今の場所、匠宅。 通された畳敷きの部屋には、ログインするための黒のヘッドギアが二つ。 親に見つかると厄介だからと、匠が預かってくれてたのだ。 この場に恋はいない。 彼女曰く、『思春期真っ只中の男二人の部屋なんかにはいれない』んだとか。 何をいらぬ心配をしてんだかねぇ。あり得ないでしょーに。 「入る前に確認しとくけど」 と、匠は前置きしてから、 「今回の目的はレベルアップだからな。オレの場合は【変貌】することのできるデータ採取」 「オッケー」 互いに確認し合い、俺達は非日常の世界へログインする。 ――――
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