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「……ここは?」
ログインしてから随分と時間が経ったはずだ。
それなのに匠がそばにいないのは何でだ?
そこは荒れ果てた土地だった。
地面が剥き出しになり、草木が完全に枯れている所もあれば、僅かにタンポポが咲いている所もあった。
一人だからか、孤独感が半端ない。匠ぃ~~~!どこ行ったんだ~~~!!
とりあえず歩いていると、袴を着た男が立っているのが見えた。
手の届く範囲には剣が置かれていて、首からはロケットが吊り下げられていた。
男はしばらく無言で俺の方を眺めていたが、不意に口を開いた。
「こうして面と向かって話すのは初めてだな。烏丸快人」
「……どこかで会いましたっけ?」
まったく身に覚えのない話なんだが……。
端正な顔つきはイケメンとは言えないが、モテないということはないだろう。
それと、身に纏う雰囲気が常人のそれとは異なって見える。
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