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「時間がないから用件だけ言う」
彼の声が耳の奧にまで入り込んでくる。
「気をつけた方が良い。どうも世界が殺気立ってるからな」
どういう意味だ?【DEATH・GAME】の世界がか?
「……そりゃあ名前が【死のゲーム】だからな。殺人が起こったって不思議じゃねぇだろ?」
「そういう意味じゃない。誰かがお前を狙っている、という意味だ」
狙っている?いやー、人気者はつらいねぇ。……違うな。真面目にいこう、真面目に。
「命をってことか?」
「そういうことだ」
すると、視界が急に歪み出した。
「……時間か。ともあれ、早く『私』を使いこなせるようになれよ。でなければ、死ぬことになるぞ」
「待て……!どういう……っ」
言い終わる前に、視界が暗転。再び俺の意識は途切れた。
――――
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