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目を開くと、まず最初に天井が目に入った。どうやら仰向けの体勢らしい。
匠の家の天井じゃないから、おそらくは【DEATH・GAME】内の世界だろう。
体を持ち上げ、ゆっくりと辺りを見回す。
芸術的な家具に、応接用のソファが見える。見覚えのあるそれらから、ここは昨日ログアウトしたギルドの一室だと判断した。
「……玲王、玲王!」
寝ぼけたような意識の中、匠の声が唐突に響いた。
俺は目を擦り、大きなアクビを漏らした。
「匠か……。どうした?」
「どうしたもこうしたもねーよ。ログインしたらお前が全然目を覚まさねぇから、何事かと思ったよ」
よほど心配してたのか、匠は大きく息を吐き出した。
(アレはいったい……)
思い出すのは袴の男との一連の会話。
死が近づいて来ているだ何だの、いったいどういう意味なんだ?
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