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前に見たときとは少し文体が違う依頼書。依頼人の項目から察するに運営クエストの方だろうな。
「これは運営クエストの中でも極めて簡単なクエストよ。今回は匠の【変貌】のデータを集めること。私達はサポートしつつレベルアップしましょ」
今思えば、匠は【変貌】のデータをまるで持っていないのだ。それでどうやってデータ採取をするんだ?
「最初は雑魚モンスターを倒すわ。それからだんだん強めのモンスターを倒していくのが普通ね」
「何ならさ。俺の剣貸してやろうか?これなら倒せるだろ」
善意から来る一言だったのだが、恋は呆れたように頭を抱えた。
「あなた本当に剣士?そんなホイホイ貸してたら、剣に嫌われちゃうわよ」
剣に嫌われる?まったく意味が分からん。
「優れた剣は持ち主を選ぶって言うわ。つまりあなたが『主』ではなく、その剣が『主』なのよ」
……なるほど?確かにこいつはいきなり喋り出すからな。態度は尊大だし。
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