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「分かったけど、何で運営クエストなんだ?別に通常クエストだって……」
「特に理由なんてないけど……、ま、強いて言うなら『宝』って響きが良かったからかしら」
……。
改めて思い知る。こいつの行動の八割は思い付きであると。
胡散臭い目を恋に向けていると、彼女は取り繕うように両手を振った。
「そ、それに、ネットじゃ宝の中身は【変貌】のデータらしいから、一石二鳥じゃない?」
何ともこじつけ臭いが……、まぁいいか。
同意した俺達に恋は【ワープの飴】を手渡した。
……これって食べても良いのかな?
現実世界の俺に何かしら影響を及ぼすんじゃないか。
例えば急に腕が伸びたり、体が砂になったり(それはそれで嬉しいけど)。
考えてても始まらない。とにかく飴を口の中へ放り込み、思った。
(この飴……グレープ味か)
前回との味の変化に感心していると、俺の意識はぷっつりと途切れた。
――――
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