日常から非日常へ

6/20
前へ
/107ページ
次へ
  ――不気味だった。 無機質な黒塗りの紙を早く手放そうと、匠に返した。 ただの紙面から、言い様のないオーラが放たれているようだ。禍々しい、何かが。 「段ボールにはヘッドギアみたいなモンが二つ入ってた。説明書を読んだ限りじゃ、それを装着して電源をオンにすればログインだとよ」 匠はテーブルの上を滑る紙を素早く受け取った。 ある程度聞き出したところで、俺は本題を切り出した。 「そのゲームって、一機につき『二人まで』プレイ可能だったよな。……俺もやる」 「……言うと思ったよ」 ニヤリ、と匠は妖しく笑った。 ――――
/107ページ

最初のコメントを投稿しよう!

111人が本棚に入れています
本棚に追加