111人が本棚に入れています
本棚に追加
――不気味だった。
無機質な黒塗りの紙を早く手放そうと、匠に返した。
ただの紙面から、言い様のないオーラが放たれているようだ。禍々しい、何かが。
「段ボールにはヘッドギアみたいなモンが二つ入ってた。説明書を読んだ限りじゃ、それを装着して電源をオンにすればログインだとよ」
匠はテーブルの上を滑る紙を素早く受け取った。
ある程度聞き出したところで、俺は本題を切り出した。
「そのゲームって、一機につき『二人まで』プレイ可能だったよな。……俺もやる」
「……言うと思ったよ」
ニヤリ、と匠は妖しく笑った。
――――
最初のコメントを投稿しよう!