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(6頭も……)
俺的には体が勝手に動いたからそんな気はさらさらしないんだが……。
「恋。そっちは大丈夫か?」
「えぇ。心配ないわ」
互いの安否を確認し合い、匠を手招きする。
匠は木の陰からひょっこりと出てきて、肩を並べる。
その顔は何故かにこやかだ。
「さてと……、先に進もうか」
先程の猪の大群は猪突猛進ゆえか、戻っては来ない。
猪突猛進すぎるだろ、と心の中でツッコミを放つ。
視線を遥か上空に向ける。
どれだけ高いかは知らないが、上空を雲が覆っているところを見ると、かなり高いんだろうなぁ。
頂上の見えない登山に、俺は一つ心の底からため息をついた。
やれやれ……。
――――
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