絶望
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「誰にも言うなよ」 男は財布から紙きれを二、三枚取り出すと裸の繭に向かって投げ落とした。 「それを持って早く帰れ」 男は繭を無理矢理立たせるとロッカーから繭の制服を出して投げつけた。 繭は放心状態のまま床に落ちていた下着を取り着替え始めた。繭の顔には涙の跡はあったが、既に涙は出ていなかった。
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