絶望

5/5
前へ
/22ページ
次へ
「誰にも言うなよ」 男は財布から紙きれを二、三枚取り出すと裸の繭に向かって投げ落とした。 「それを持って早く帰れ」 男は繭を無理矢理立たせるとロッカーから繭の制服を出して投げつけた。 繭は放心状態のまま床に落ちていた下着を取り着替え始めた。繭の顔には涙の跡はあったが、既に涙は出ていなかった。
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加