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亮太はそのページをチラッと見て、堅い奴だと再度感じていた。同盟が成立したんなら誰でも関係ないだろと。しばらくすると、隆史が帰ってきたので亮太は再び窓の外を眺めた。変わらぬ風景に少し飽きを感じつつも、音楽に聴き入りぼんやりした。
それからも隆史は、その年表の書いてある本を真剣に読み耽り時折に不思議そうな表情をしながらページを行ったり来たりしていた。
隆史は、一見がり勉そうに見える。実際、クラスでも成績はトップだし学年でも上位だから他は彼をがり勉だと思っている。
だが、本人は決して自分はがり勉等ではないと思っている。むしろ社交的でユーモアもある。最近の流行だって理解している。話題さえ振ってくれたら、十分付いていけるのだ。っと。しかし、如何せん周りが自分をがり勉だと思っているのか表立って仲良くしようとしてくる奴がいない。この修学旅行で、そんなイメージを払拭してやると思っていた。
手始めに隣に座った奴に話しかけ、「隆史、おもしれーじゃん!」「マジで!?隆史、ノリいーじゃん!」と、直前までイメトレをしていたが隣に座ったのは亮太であり速攻そのイメトレはただの妄想の産物へとなった。「くそっ」軽く舌打ちをして、隆史は本を読み続けた。新幹線は岐阜羽島を定刻通りに走り去り、京都を目前としていた。
京都に到着すると、一向は再びそこでバスに乗った。京都は快晴で、雨は降っていなかった。
時間を見ると”13:50”を指していた。今から、一行は嵐山へと向かう。そこで、少しの自由時間と「天龍寺」と言う広大な敷地を誇る寺を見る事になっている。普段なら格段、興味の無い事だがやはり修学旅行ともなるとワクワクしてくる。少し、良いかもっと思いつつ嵐山に向かっていった。さすが、京都にもなると風情のある町並みだ。やはりipodで音楽を聴きながら亮太は京都の町並みを眺めていた。
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