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「……行かないんですか?」
返事無し。
感じ悪いなホント。
溜め息を飲み込み、亨さんに背を向けまた膝を抱えて目を閉じた。
「怖いだろ? こんな所で1人きりで待つの」
意外な言葉にビックリして顔を向ける。
でも、口をきいてくれて有難う。
怖いよ、無言の暗闇は。
ゆっくりと目を開けた亨さんは、私の顔を見て緩やかに口角を上げた。
「相当苦手みたいだもんな、怖いの」
「はぁ……まぁ……得意ではないです」
最初の自己紹介の後、これが初めての会話。
何故急に喋る気になったのかは分からないけど、一緒に居てくれるのも、こうして話をしてくれるのも、正直助かる。
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