episode 1

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「……行かないんですか?」 返事無し。 感じ悪いなホント。 溜め息を飲み込み、亨さんに背を向けまた膝を抱えて目を閉じた。 「怖いだろ? こんな所で1人きりで待つの」 意外な言葉にビックリして顔を向ける。 でも、口をきいてくれて有難う。 怖いよ、無言の暗闇は。 ゆっくりと目を開けた亨さんは、私の顔を見て緩やかに口角を上げた。 「相当苦手みたいだもんな、怖いの」 「はぁ……まぁ……得意ではないです」 最初の自己紹介の後、これが初めての会話。 何故急に喋る気になったのかは分からないけど、一緒に居てくれるのも、こうして話をしてくれるのも、正直助かる。
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