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「尚……都市伝説の場所って、本当にここなの?」
啓太さんの腕に掴まってキャピキャピしている尚の傍まで、直立でゆらゆらと左右に揺れるゾンビ歩行をして行った私は、取り敢えず聞いてみた。
「I県K市の国道交差点で近くに電波塔が見えるっていうと、ここなんだよね。
他の交差点からは山の木が邪魔で電波塔は見えないの」
「あ、そ……」
有り得ないと思いながらも、認めるしか無さそうだ。
都市伝説が囁かれ始めた時期。
車の前に飛び出す高校生位の女の子。
クスリ。
そして何より。
この場所は、半年程前に私が事故に遭った場所。
言いたかないけど、都市伝説の主人公って、私なんじゃない?
脳ミソ垂らしていないし違法薬物に縁も無いけど、絶対私だよねそれ。
はぁ……何か、今日はホント散々だよ。
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