episode 1

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恐怖が大好きな菜穂が、探索よりも私を心配して帰ろうと言ってくれたのは正直嬉しい。 1時間でも2時間でも待っているからゆっくり見てこいと、そんな気持ちになった。 1人待ちは怖いけど。 「……いいの?」 「うん、いいよ。 ゆっくり見ておいで」 「じゃあ……行ってくる。 有難う、ごめんね? 何かあったら電話してね」 申し訳なさそうな菜穂に微笑んで頷いたけど。 何かあったらって何よ、怖いな。 菜穂と海斗さんは車を下り、先に下りて待っていた4人と合流して建物前のボーボーの草むらを分け入っていった。 ……でさ。 何故この人はここに居る訳? 頭でも痛いのか? 相変わらず腕組みをして目を閉じている亨さんを見遣る。
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