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恐怖が大好きな菜穂が、探索よりも私を心配して帰ろうと言ってくれたのは正直嬉しい。
1時間でも2時間でも待っているからゆっくり見てこいと、そんな気持ちになった。
1人待ちは怖いけど。
「……いいの?」
「うん、いいよ。
ゆっくり見ておいで」
「じゃあ……行ってくる。
有難う、ごめんね?
何かあったら電話してね」
申し訳なさそうな菜穂に微笑んで頷いたけど。
何かあったらって何よ、怖いな。
菜穂と海斗さんは車を下り、先に下りて待っていた4人と合流して建物前のボーボーの草むらを分け入っていった。
……でさ。
何故この人はここに居る訳?
頭でも痛いのか?
相変わらず腕組みをして目を閉じている亨さんを見遣る。
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