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数日後、彼の葬式が行われた。
俺も参列し、彼の棺に花を供えた。
棺のなかで眠る彼はあまりにも綺麗すぎて、今にも起き出してきて俺に笑いかけてくるんじゃないかと思うほどだった。
けれど、頬に触れると氷のように冷たかった。
本当に死んでいるのだ、そう思うと途端に涙が溢れだした。
もし、あのまま一緒に居れば死のうだなんて考えなかったのだろうか。
琥珀を助けることが出来たのだろうか。
もし、あの時琥珀を探していれば、何かが違っていたのだろうか。
思い出すのは、彼との17年の記憶と、最期の表情。
彼は最期に目があった時、静かに微笑んでいた。
俺はきっと、いや、絶対に琥珀を忘れることなんて出来ないんだろう。
どんなに幸せになっても、彼の微笑みが俺の後ろをついてまわるのだ。
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