終わりは始まり。

4/6
前へ
/18ページ
次へ
弁当を食べ終わり、教室へ戻る。 恋人には文句を言われたけれど、なんとなく琥珀のことが気になったのだ。 何故かはわからないけれど、背筋が寒くなるような嫌な予感がした。 教室に戻ると琥珀の姿はなくて、恐らくまだ食堂に居るのだろうと思った。 だが、この考えは間違っていたんだ。 どれだけ待っても琥珀は教室に現れず、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。 俺は不思議に思いながら、席に座り授業を受け始めた。 そして、ふと、本当に、気紛れに。 窓の外を見たときだった。 「…え…。…」 落ちていく、彼と目があったのだ。 ほんの一瞬だった。 一秒もなかったかも知れない。 少し後に、ぐしゃり、とスイカが潰れたような音がした。 途端に、悲鳴が学校を包み込んだ。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加