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弁当を食べ終わり、教室へ戻る。
恋人には文句を言われたけれど、なんとなく琥珀のことが気になったのだ。
何故かはわからないけれど、背筋が寒くなるような嫌な予感がした。
教室に戻ると琥珀の姿はなくて、恐らくまだ食堂に居るのだろうと思った。
だが、この考えは間違っていたんだ。
どれだけ待っても琥珀は教室に現れず、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
俺は不思議に思いながら、席に座り授業を受け始めた。
そして、ふと、本当に、気紛れに。
窓の外を見たときだった。
「…え…。…」
落ちていく、彼と目があったのだ。
ほんの一瞬だった。
一秒もなかったかも知れない。
少し後に、ぐしゃり、とスイカが潰れたような音がした。
途端に、悲鳴が学校を包み込んだ。
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