終わりは始まり。

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ちなみに俺のクラスは二階にあり、校舎は四階建て。 悲鳴は一階から始まり、悲鳴はどんどんと他の生徒達に伝染していった。 俺はというと、窓の外を見つめたまま指一本動かすことができなかった。 ただ、目があった時の琥珀の表情が脳裏に焼き付いていた。 やがて警察や救急車がやって来て、学校は休校になった。 後から聞いた話によると、琥珀は昼食をとることなく屋上から飛び降りたらしい。 さらに言えば彼の胃のなかには、まともな食品らしきものが無かったとか。 彼の飛び降りた場所には上靴と、遺書らしきノート。 ノートには、『ひとりになるくらいならしんだほうがましだ。』と書きなぐられていたそうだ。
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