樹弥の見方

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明日は休みだと思うと、学校も早く終わるものである。 授業を受けた感覚はいつもないんだけど。 毎日が金曜日気分だ。 気が早い五月病かな。 ん?あれは実方か? 「一緒に帰らないか?実方」 「みき、みみ樹弥???」 瞳孔が開き、顔が、それは凄まじいことになっている。 うん、面白い。 なにがそんな面白い顔にしたのかとても気になった。 「何を驚く?」 「なんでここに??」 質問に質問で返されてしまった。 「なんでって・・・僕はお前がここにいる方が不思議だが。お前の帰り路は逆ではないのか?」 「樹弥に会えるとおもって毎日ここで・・・」 ごにょごにょ言って聞こえずらい。 「ん?なんだって?」 「いや!なんでもない!う、うっかり間違えちまってさ!!ははっ!!俺馬鹿だし!!」 「それもそうか」 なんだか様子が変だが、面白いから良しとするか。 この自他ともに認める馬鹿は、僕の友人の獅子野実方だ。 考えなしの無鉄砲娘である。
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