樹弥の見方

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「わかんない。」 「わかれ。もう一度説明するぞ。」 「無理。遊ぼ。」 「そんなんじゃ赤上など到底無理だ。」 「気ぃいーーー狂うわぁ!」 「あと一時間やったらカラオケに行こう。な?」 「ホントか!?」 「約束できるな?」 「愚問だ。早く教えろ。フリータイムに間に合わなくなる。」 「ふふ、了解」 二人の意気はぴったりな気がした。 そう思うほどに、順調に、奴の学力は向上した。 秋の終わりには、E判定だった奴の学力は、A判定にまで上がった。 試験日前夜まで僕たち二人は詰め込んで勉強をした。 そして試験も終わり、合格発表。 ん・・・思い出せない。 その日のことを思い出せない。 一緒に合格発表を見に行く、と約束したのは憶えているんだけど。 まぁいい。 二人とも受かったのだ。 だからこうして高校に、一緒に通っているんだ。
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