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「!?……はい…」
その後お前の母親に言われ、俺以外は学校に帰る事になった。
お前の棺を前に、改めてお前の居なくなった現実が背中に重くのし掛かる。
お前の顔…見たくない…。
顔の大きさにぱくりと開いた四角い扉の向こうは、きっと闇だ。
お前の死に顔なんかじゃない。
信じたくない…。
「…恵一から玲次くんに…手紙を、預かってるの…中は読んでないけれど…」
少し涙ぐむ母親の差し出した封筒に、少し躊躇いながらも受け取る。
中身のさほど無い重さの、質素な白い封筒の中心に、俺の名前がポンと書かれていた。
お前が俺の名前を知っていた事に、驚いた。
お前にとって俺は
大勢の中の一人だと、思っていたから…。
慌てて封を切り手紙を目で追う。
...
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