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周囲も気がついたらしく叫びながら慌てて逃げていく。
その叫び声に上を見た男は、恐怖と絶望に染まった顔をして、動けなくなってしまった。
槍は後数センチで男に刺さる。
とっさに竜海は男を弾き飛ばし、男を槍から助けた。
結果自分は避けられず槍に脇腹を貫かれた。
竜海はそのまま硬い地面に力なく倒れ込んだ。
男は痛みが来ないので目を開けると、白い着流しを血で赤く染め、力無く横たわる竜海が目に飛び込んできた。
「た、竜海!」
暫く何があったかわからなかった男だが、竜海が自分を庇ったのだとわかり、慌てて駆け寄る。
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